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知的障害とは?

 

知的障害の定義

 

知能とは、人間が環境に適応していく能力をあらわし、
記憶・知覚・運動する能力、理解・思考・判断などの
能力の全体(全体的な認知能力)のことを言います。

 

知的障害とは、知能の発達が遅滞した状態にとどまっていることを言います。

 

 

 

診断基準

 

@ 発達期(おおむね18歳未満)において遅滞が生じること
A 遅滞が明らかであること
B 遅滞により適応行動が困難であること

 

「精神遅滞 Mental Retardation」

 

⇒ 現在では知的障害とほぼ同義で用いられていることが多いですが、
  厳密には異なり、知的障害によって社会的な不適応を生じた
  場合に精神遅滞と定義されます。
  上記ではBが該当します。

 

遅滞が明らかか否かの判断は
各種知能検査(田中ビネー・WISC・K-ABCなど)で知能指数(IQ)を、
社会生活能力検査(SM式など)で
社会生活年齢(SA)・社会生活指数(SQ)を算定し、
総合判断とすることが多いです。

 

事故の後遺症、認知症といった
発達期以後の知能の低下は知的障害としては扱われません。

 

 

 

数値による分類

 

境界域
知能指数は70〜85程度。
知的障害者とは認定されない場合が多いですが、
認定されないために色々な支援を受けられず、
かえって厳しい状況におかれることもあります。

 

軽度
知能指数は50〜70程度。
理論上は知的障害者の約8割がこのカテゴリーに分類されますが、
本人・周囲とも障害にはっきりと気付かずに社会生活を営んでいて、
障害の自認がない場合も多いため、認定数はこれより少なくなります。
生理的要因による障害が多く、健康状態は良好であることが多いです。

 

中度
知能指数は35〜50程度。
過半数の精神年齢は小学生低学年程度です。

 

重度
知能指数は20〜35程度。
大部分に合併症が見られます。
多動や嗜好の偏りなどの行為が、問題になる場合もあります。
概ね精神年齢は4歳児程度しかありません。

 

最重度
知能指数は20以下。
大部分に合併症が見られ、寝たきりの場合もあります。
しかし運動機能に問題がない場合、
多動や嗜好の偏りなどの行為が問題になる場合もあります。
実際の精神年齢は1歳児程度しかありません。

 

 

 

発達期における特徴

 

乳幼児期
同年齢の幼児との交流が上手くいかなかったり、
言葉に遅れがあったりする場合が多いです。
親は育児にストレスを感じることが多くなるため、
不適切な養育になってしまう可能性もあります。
染色体異常などの病理的原因の場合は早期に発見されることが多いです。

 

学齢期(6〜15歳ごろ)
判断力や記憶力などの問題で、普通学級の授業についていけない場合が多いです。
自閉症を合併している例では、複雑なルールの遊び、集団参加が困難となります。
そういったストレスから、
各種二次障害(不登校、うつ、暴力など)が発生する場合もあります。
また、後期中等教育への進学に当たっては、各種の問題が障壁となる場合があります。

 

成年期(18歳〜 )
一般的な職場への就労はハードルが高いですが、
本人の能力に合っている環境であれば問題がない場合も多いです。
一般的な職場での就労が困難な場合には、
障害者の保護者やボランティアなどが開設する通所施設で活動する例が多いです。
また、日常的でない判断(高額な契約など)が難しく、
判断を誤ることや、悪意の接触にだまされることが時折ありますので注意が必要
です。

 

 

 

知的障害の原因

 

病理的要因
・ダウン症候群、先天性代謝性疾患、結節性硬化症などの染色体異常先天性疾患
・出産時の低酸素脳症・分娩中の物理的な脳の圧迫などの周産期の事故
・生後の高熱の後遺症(細菌性髄膜炎、ウイルス性脳炎など)

 

脳性麻痺やてんかんなどの脳の障害や、
心臓病などの内部障害を合併している(重複障害という)場合も多いです。
染色体異常が原因の場合は知的障害が中度・重度であることが多く、
外見的には特徴的な容貌であることも多いです。

 

生理的要因
特に知能が低くなる疾患があるわけではないのですが、
たまたま知能指数が低くて障害とみなされる
範囲に入ったというような場合をさします。

 

生理的要因の知的障害がある親からの遺伝や、
知的障害がない親から偶然に知能指数が低くなる
遺伝子の組み合わせで生まれたことなどが原因であります。

 

合併症はないことが多く、健康状態は良好であることが多いです。
知的障害者の大部分はこのタイプであり、
知的障害は軽度・中度であることが多いです。
「単純性精神遅滞」などとも言います。

 

心理的要因
養育者の虐待や会話の不足など、発育環境が原因で発生する知的障害。
リハビリによって知能が回復することが可能なこともあります。

 

 

 

知的障害は、さまざまな原因が絡み合って発症するといわれています。
が、現在のところはっきりとした原因は特定されていないというのが現状です。

 

ただ、なんらかの遺伝的なものがあるのではといわれています。
が、まだ、何の遺伝子が原因となるかは特定されていません。

 

昔は、育て方が悪いとか愛情不足といわれた時代がありましたが、

現在ははっきり否定されています。

 

そして、子供を精密検査に受けたときに先生から聞いた話なのですが、
残念なことに現代の医学では治せる手術や特効薬はないそうです。

 

ですので、親としては
「子供が今日より明日、明日よりあさって、
 少しでもいいので成長して自立できるよう日々手助けしていく」
ことが必要になります。

 

子供が将来幸せに暮らすために、
親ができることは「自立を支援すること」です。

 

 

 

 

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